結納について

どのような結納にするのか両家の意見をまとめましょう。

結納とは、結婚式を挙げるまでの間に、「結婚の約束」を公にするために行う伝統的なスタイルの儀式。結納に対して、花嫁をお金で買う、というような感覚があるのでしたら、それは大きな見当違いと言えます。相手を大切に思う気持ちを金品という形にし、結納の場で取り交わします。
時期は、結婚式や入籍の3か月~6か月前が主流のようです。

※女性側に「結納のご希望は?」とたずねるのはやめましょう。 希望を聞かれても本心は言えないものです。 男性側で誠意を持って決めましょう。女性側からの「簡単で結構です」という言葉は、本当は正式にしてほしいけど、遠慮しているのかもしれません。また、「簡単」という言葉も人や地域によって価値感が違いますので、本当に簡単にしてよいのかどうか、仲人を立てない場合は、結婚するふたりがお互いの親の意向を伝え合いながら慎重に意見をまとめます。

結納の進め方は、地方や家の考え方によって、様々に変化するものです。ここでは、仲人なしのある程度簡素化されたものを基本として挙げていますので、柔軟に対応してください。

「日程・場所」を決めます。

日柄の良い日を選び、日程の調整をします。仲人なしの略式結納の場合、結納品と受書の受け渡しに約20分。基本的には午前中に結納式を済ませ、その後、会食に2時間程度となります。

結納式を女性の家で行い、その後ホテルや料亭などに移動して食事会をするケースや、結納式も食事会もすべて1箇所で行うなど様々。 料亭やレストランにする場合は落ち着いて儀式が行える個室があるところを選び、予約をする際には必ず結納であることを伝えておきましょう。結納品を飾るスペースや席の配置、花や料理内容など、いろいろと配慮してもらえます。

いずれにしても結納の日は、結納品を持参する男性側を労い、女性側がおもてなしをするものです。料亭などでするにしても、手配やかかる接待費用は女性側が負担するのが普通だといえます。 家によっては、親だけでなく兄弟姉妹や親族が参加する場合も多いようですが、儀式から参加するのか、会食会から参加するのか、かたよりがないように両家で話し合っておきましょう。

「結納品」「結納返し」「お土産」の用意。

〈結納品〉
結納は、より正式に豪華にすればするほど費用がかさみます。地方によっては、結納の数ヶ月前に、お酒、鯛、お茶などを持参する家もあります。
以前は、結納品は男性側の地元で買って用意していましたが、近年では女性側の地域に合わせた形で揃える方が多くなってきています。

いずれにしても、派手な結納飾りは不要だと感じ、略式の傾向が強くなってきています。しかし、せっかく儀式をするのなら、簡単でも「結納品セット」を購入して、その中に結納金を収める方がきちんとした感じになります。結納金の額は平均で、きりのいい100万円が最も多く、その他に記念品として指輪やアクセサリーを贈るケースが多いようです。それに加え、会食の費用を両家で折半という気持ちで、「酒肴料」をお包みすることで丁寧な印象を与えます。

〈結納返し〉
女性側では、「結納返し」として、いただく額の1割(地域によっては半額)の現金か、時計やスーツなどの品物を用意します。 なかには、両家で話し合って結納金を少なくし、結納返しをしない場合があったり、もともと結納返しの風習が全くないところもあります。
返す時期は「結納当日」「後日」「荷送りの日(挙式の2〜3週間前)」の3通りがあります。

同時交換の場合は、事前に両家で話し合い、どのような結納、また結納返しを行うのかを決めておくことがスムーズに行う秘訣です。 しかし、相手になかなか聞きづらく、それができない場合には、結納店で一通り揃ったセットを選び、現金ではなく品物で用意しておくと結納金が不明でも困りません。

※女性側に気を使わせないためか、男性側から、「受書やお返しなどは一切要りません。」と言われる場合がありますが、これは失礼になります。

結納では、取り交わした証として、男性側で目録(品物の内容と数を記入した納品書のようなもの)を用意します。それに対して女性側では、受書(領収書のようなもの)を用意します。いずれも結納店で購入できます。
結納返しの目録と、それに対する受書については省略してもよいのですが、内容や家によっては用意する場合があります。

〈お土産〉
一方だけが用意していた…、などということがないよう事前に話し合っておきましょう。用意する場合は地元の特産品などがおすすめです。地域によっては家族一人ひとりに持参するところもあります。
女性側の自宅で行う場合は、ご先祖様への挨拶として線香を持っていきます。女性側は男性側の自宅に伺う際に持参します。

結納当日の「服装」の準備。

当日は誠意を表す準礼装か略礼装が基本です。両家の格にばらつきがないよう事前に話し合っておきましょう。

〈男性本人〉
ブラックかグレーなど、ダークスーツに白シャツ。ネクタイは白かシルバーグレー。靴下・靴は黒で揃えましょう。

〈女性本人〉
未婚の間だけしか着ることができない振袖を着納めとして着る女性が多いようです。または華やかな訪問着、ワンピースやアンサンブルでもOK。肌を露出しすぎない品のいいものを選びましょう。(素足はNG)

〈父親〉
ブラックスーツが基本。男性本人と格を合わせたダーク系のスーツスタイルで。

〈母親〉
なるべく女性本人と格を揃えます。振袖なら黒留袖。訪問着なら色留袖や訪問着が正式となります。一方の母親だけが着物姿だった、などとならないように両家で話し合った上で格を揃えます。両家で合わせているならスーツでもOK。

〈兄弟姉妹〉
きちんとしたイメージのものを選びましょう。兄弟はダーク系のスーツスタイル。姉妹はワンピースかスーツスタイルで。
※結婚する本人より華やかにならないように気を使いましょう。(素足はNG)

結納当日の「流れ」。

〈飾り付け〉
女性側の自宅で結納式をする場合、男性側の到着前に結納返しを飾っておきます。
結納式は、口上以外、一切無言で行うのが本来のやり方です。男性側は到着したら玄関で交わす言葉は一言の挨拶だけにして部屋に通してもらい、床の間に結納品を飾ります。飾り付けの間、女性側は席を外しておきます。
料亭などで結納式をする場合は、当日早めに行って飾ります。男性側の飾り付けが済んでから女性側が飾ってもOK。地域によって、席順や品物の内容、渡す時の口上が変わるので、購入するお店で説明を聞いておきましょう。

〈席順〉
飾り付けが済んだら、男性側父親が「整いました」と知らせ、女性側も入室します。床の間に向かって、右手が男性側、左手が女性側です。
席順は、家を重んじる場合は父親主体で(父 母 本人)の順となり、九州ではこの形式が多いようです。本人同士の結びつきを重んじる場合は本人主体で(本人 父 母)となります。男性側に合わせて女性側も座ります。儀式の間、座布団は使用しません。より丁寧にするなら、扇子を目の前に置いて始めます。

〈挨拶〉
男性側の父親が進行役をつとめます。父親がいない場合は、親族の男性に代理を依頼したり、母親や男性本人がつとめます。話すのが苦手な場合はメモを見ながらでOKです。スムーズな流れとなるよう事前に練習しておきましょう。

〈結納品を渡す〉※地方や家によって口上をアレンジしてOKです。
男性側の父親より「この度は○○様と、息子○○の結婚をご承諾いただきまして有難うございます。本日はお日柄もよく、結納の品を持参致しましたので、お改めの上幾久しくお納め下さい」と口上を述べ、父親か母親が、広蓋に載せた目録を女性側の父親に渡します。

女性側の父親が目録に目を通した後、「誠に、結構な結納の品々をありがとうございます。幾久しくお受け致します」という口上に続いて、女性本人からも「ありがとうございます」とお礼の言葉を述べます。
女性側父親が「結納の受書でございます。どうぞお改めください」と述べ、父親か母親が男性側の父親に受書を渡します。
(男性側で受書も購入していた場合は、事前に女性側に渡しておきます)

〈結納返し〉
女性側の父親より、結納返しの目録を男性側父親に向け「気持ちばかりでございますが結納返しを用意しております。幾久しくお受けください」と口上を述べます。
続いて、男性側父親より「結構な結納返しをありがとうございます。幾久しくお受けいたします。これにより、ふたりの婚約が成立しました。これからどうぞよろしくお願いいたします」と述べ、
女性側父親より「こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします」という流れになります。

〈指輪の贈呈〉
指輪を用意していた場合は、結婚する男性から女性に指輪を贈呈し、その場でつけてお披露目をすると和やかな雰囲気になります。
結婚するふたりからも「本日は私たちの為にありがとうございます。これからも何かとお世話になりますが、よろしくお願いします。いろいろとご指導ください」と挨拶を。
そして、忘れないように全員で記念写真を撮影しておきましょう。

〈会食会〉
滞りなく結納の儀式を終えたら、座布団やお茶を出します。お茶はおめでたいことを連想させる「桜茶(花開く)」や「昆布茶(よろこぶ)」を用意しておきます。
女性側の自宅で会食を行う場合は引き続き、となりますが、料亭やレストランを予約している場合は移動となります。
これから親戚付き合いが始まるわけですから、お酒の飲み過ぎや言葉遣いに気をつけて、気持ちのよい結納の日となるように十分気を付けましょう。

〈予算〉8万〜12万円/6人
費用の支払いは、おひらきの少し前に女性側で済ませておきます。

〈お土産を渡す〉
お土産を包む風呂敷は結び目を作らず持参しておきます。渡す前に「ほどく」ことが別れを連想させるためです。渡すタイミングは、指輪のお披露目の後、または会食おひらき後に雰囲気をみながらにしましょう。

結納金の使い道。

結納金は結婚をする際の、花嫁の支度金として女性側の家(親)にいただくものですから、基本的には女性側でどのように使おうと自由です。
花嫁の衣裳代や、結婚式にかかる費用にあてたり、新生活に必要なものにあててもよいですし、持参金として持って行ってもよいでしょう。